家庭学習のヒントサムネイル (7)

知りたいことはすぐに検索でき、AIに聞けば答えもすぐに返ってくる時代になりました。便利になった一方で、このままでは子どもたちが、自分の頭で考えることなく、ただ答えだけを追い求めるようになり、想像力が低下してしまうのではないか、そんな危惧を覚えることがあります。

ある小学校で保護者に「子どもの成長に求めること」を尋ねたところ、1位に挙がったのが「想像力」だったと耳にしたことがあります。保護者の方々も、これからの時代に「何を生み出せるか」に関心が高いと言えるかもしれません。今回は、さんすうぼっくすが育む「想像力」というテーマで、アナログ教材の価値を考えてみます。

創造性の土台は、「イメージする力」

例えば子どもたちに、「身の回りのものの数を、ブロックで表してみて」と伝えると、以下のような光景を目にすることになるのではないでしょうか。

ある子は、2個ずつのまとまりを「2、4、6…」と5つ並べて、10にします。5個と5個に分けて「5と5で10」と表す子もいるでしょう。あるいは、10個のブロックを縦に一列に高く積み上げる子や、また別の子は、下から4個、3個、2個、1個と積み上げて、ピラミッドの形を作ります。同じ「10」でも、その表し方は一つではないのです。

大切なのは、この「単純な10という数を、いくつもの形で思い描けること」です。数字という抽象的な概念を、手を動かしながら自分なりのイメージに変換していく、そしてその体験こそが、創造性の土台になると私たちは考えています。
答えは一つでも、そこにたどり着く道筋はいくつもある。子どものうちからそう実感できることは、決まった形に当てはめて考えるのではなく、自分なりに発想を広げていく力へとつながっていきます。数を一つの形に固定しない経験の積み重ねが、やがて「自由に考える力」を育てていくことにつながるのではないでしょうか?

AI時代に、改めて問われる「人にしかできないこと」

AIの進化は目覚ましいスピードで続いています。文章や画像を生成する技術は瞬く間に普及し、今ではビジネスの現場でも当たり前のように活用されています。さらに近年では、ロボットに搭載されて実世界で動作する「フィジカルAI」への注目も高まっています。こうした技術の発展に伴い、これまで人が担ってきた仕事の一部は、徐々にAIやロボットへと置き換わり始めていますし、今後さらに加速していくことでしょう。

そうした時代の中で、これからの人間は「人にしかできないこと」に、より軸足を置くことの重要性が叫ばれていますが、中でも創造性が求められる仕事は、まだAIには代替しきれない領域だと耳にする機会も増えました。何もないところから発想し、自分なりの形をつくり出す力。それは、これからの時代においても、人間としての大きな価値のひとつなのかもしれません。
では、その創造性はどのように伸ばしていけばいいのでしょうか?

その答えの一つとして、私たちは、子どもの頃に「自分なりに考え、答えを見つけ出す」という経験を、どれだけ積み重ねてきたか、その積み重ねこそが、将来どんな時代になっても揺らぐことのない想像力の土台になっていくと考えています。

これから先、答えはますます簡単に手に入る世の中になっていくでしょう。だからこそ大切なのは、答えそのものではなく、そこへたどり着くまでの過程です。自ら考え、試し、発見する。そのプロセスを大切にできるアナログ教材を使った学びには、今だからこそ価値があるのではないでしょうか?

さんすうぼっくすが育てる、"自分なりの答え"を見つける力

ブロックやおはじきといった具体物/半具体物を使う学びには、一つの大きな特長があります。それは、正解にたどり着くまでの道筋が、一つの形に決まっていないということです。

先ほどの「10」の表し方がそうであったように、同じ課題に取り組んでも、アナログ教材を使って考える過程では、子どもによってさまざまな違いが見て取れます。そこに表れる発想や個性には、思いがけない発見があり、見ているだけでも楽しいものです。

私たち誠文社が大切にしたいのは、問題の解き方を理解させることや、正解にたどり着く方法を教えることだけではありません。子どもたちが自分なりの考え方を持ち、「こうしてみよう」「こう考えた」と試行錯誤できる力を育むことです。多少効率は落ちても、自分の手を動かし、自分なりのやり方で答えを見つけ出す。その体験の積み重ねこそが、将来どんな時代になっても活きる、本当の意味での「考える力」につながるのではないでしょうか。

さんすうぼっくすは、そうした一人ひとりの自由な発想を育む教材でありたいと考えています。決まった手順をなぞるのではなく、子ども自身が「自分はこう考えた」と言えるような学び。それが、これからの時代を生きる子どもたちの創造性を、着実に伸ばしていくと信じています。

答えを知ることより、答えを自分の力で生み出すこと。AIがどれだけ進歩しても、そこに向き合うのは、いつまでたっても人自身です。
さんすうぼっくすを通じ、手を動かし「自分なりのやり方で答えを見つける」という経験は、これからの時代にこそ、大きな価値を持つのではないでしょうか。私たちは、そうした力を育む教材づくりを、これからも大切にしていきたいと考えています。